ラスベガスに戻ってきたのはその日の夜8時頃だった。前回来たときと同じ、ダウンタウンの安ホテルに泊まる。
時間があったので、ストリップ(ラスベガスの中心、高級ホテルが立ち並ぶところ)の方に行ってみることにした。
さすがは世界一の歓楽街ラスベガスの中心地。自由の女神あり、エッフェル塔あり、スフィンクスあり、と街全体がテーマパークのようだった。
ぶらぶらした後、高級ホテルのカジノに行ってみようということになった。
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カジノは我々が泊まったホテルにもあったが、当然ホテルが高級になると規模、掛け金、当選金もでかくなってくる。
大負けしてしまっては日本に帰れなくなる。一通り見てまわると、掛け金の大きいところに混じって5セントや25セントでできるコーナーもあり、一安心。
ぼくは1ベット25セントのビデオポーカー(ゲーセンのメダルゲームにあるようなやつ)を始めた。かなりの疲労のため。ボーっとしながらけっこう適当にやっていた。
すると三回目の勝負くらいで突然大量のコインがでできた。
おやっ?と思い、自分のカードを見てみると、
クラブの10、クラブのエース、クラブのクイーン、クラブのジャック、クラブのキングだった。
そう、ロイヤルストレートフラッシュ(ポーカーで一番でかい役)である。
4枚賭けでのロイヤルストレートフラッシュはコイン1000枚。機械の中のコインが全部なくなってしまったので、係員にきてもらう。
周りのいかにも負けてますって感じの幸の薄そうな人たちがものほしそうな目でこっちをじろじろ見てくる。ふっ、悔しかったら当ててみな。
25セント×1000=250ドル。日本円にして約三万円。そんなに大した額ではないが、貧乏のぼくにとってはやはりうれしいものだった。
「これを元金にしてさらに大勝負に挑もうか。」そんな考えが頭をよぎる。
ぼくは、カジノで300万くらい当てれば欲しい車が買えるぞ、という思いを秘めてベガスにやってきた。一口100ドルくらいので勝負してでっかく勝てばそれも夢じゃない。どうせ無くなってもともとの金だし。やるか・・・?
でも待てよ?三万円あれば前から欲しかったデジカメが買える。欲を出して負けてしまえばそれも買えなくなる。今なら・・・買える。
散々悩んだぼくが出した答えは・・・
「ここは確実にデジカメだ。」
スケールの小ささはコテコテの日本人であった。
3月23日(金)
今日は一日余裕がある。ラスベガスを堪能するぞ、ということで、ショッピングをした後、ワールド オブ コカコーラ、ストラストフィアー展望台、そして各高級ホテルが主催する数々の無料でやってるショーを見ようということになった。
しかし、そうはうまくいかないのがぼくらの旅のお約束。
「ワールド・・・」は、コカコーラの歴史を展示していて、コーラの泉などがあって面白そうだってことで行ってみた。
だが、我々が行くとイベントだかなんだかで半分くらい閉鎖されていて、コーラの泉も見ることができなかった。行く先々でことごとく辛酸をなめ続ける。
コーラ博物館をあきらめた僕らは飯を食って、ショーの開演時間が迫ってきたので会場へ向かう。しかし、あまりの観客の多さに近づくことすらできない。
ようやくステージが近づいてきた。その時、
「ジャ、ジャーン! パチパチパチ・・・」
ショーは、終わった。
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