我々が買った航空機のチケットは、ロスまで往復でなんと\36000という格安チケット。そのかわり、出発直前まで航空会社、および出発時刻はわからないというものであった。
まあ、その値段だからあまり期待はすることはできない。
その日、チケットをもらって航空会社を確認した。
―KOREAN AIR― つまり、「大韓航空」
「大・韓・航・空?」 その衝撃的な四文字熟語から連想されたのは、「不吉、事故、墜落、絶望、死亡、悲鳴・・・」などといった言葉だった。
ただでさえ飛行機はダメなぼく。追い討ちをかけるようにこんな恐ろしい事実が待っていたとは・・・
3月16日(金) 午後4時30分
いよいよ出発だ。友人が言う。
「まあ、飛行機で死ぬときは一瞬だから、楽なもんだ。」
――なぐさめにもなんにもなりゃしない。
ついに離陸してしまった。もう後には戻れない。いつものように、手には汗がにじみ、足には力が入る。
途中、何度か気流が悪くて機体がゆれることがあった。そのたびにおそらく韓国人であるスチュワーデスのアナウンスが入った。
「みなしゃま。本機はただいま気流の悪いところをちゅうかしておりましゅ。」
それを聴くたびに神に祈っているぼくがいた。
3月16日(金) 午前9:30(日本時間17日午前2:30)
LAX(ロサンゼルス国際空港)到着。当然、機内では一睡もできなかった。でも、そこは完全な朝だった。早くも時差ボケ発生だ。
途中、こんな話をしていた。
日本人は向こうの人からは幼く見える。メンバーの一人は背が低かった(160cm弱。写真右)ので、
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「おまえなんかとくに子供に見えるんじゃないのか?お菓子とかもらえるかもよ。」
「まじか〜。やった、ラッキー。」
まあ、他愛もない笑い話であった。
さて、本日泊まる宿を探さなければならなかった。空港のインフォメーションで近くに安いホテルがないか訪ねると、ホテルのリストを見せてくれて、電話で空室の確認までしてくれた。人のよさそうなおじいさんだった。
迎えのシャトルバスが来るというので、礼を言ってバスの乗り場に行こうとすると、その人に呼び止められた。
「日本人かい?」などと言いながらカウンターの下のほうからなにやらごそごそ取り出し、それを背の低い友人のほうに差し出した。
それは、間違いなくキャンディーだった。
まさか、本当にお菓子をもらうとは。彼は、ありがたく頂戴したのだった。
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