BangLassie
SHORT DIARY
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 2007・3・25 (日)


テレビで、一人暮らしの女性の家に忍び込み、暴行を繰り返していた男が逮捕された、というニュースをやっていた。

被害は50件にも及ぶという。画面には、犯人の自宅マンションの玄関前が映し出されていた。しかしその映像に僕は自分の目を疑った。

玄関のドアの横におもむろに、センサー反応式の、人が前を通ると吠える防犯用の犬の置物がおかれていたのだ。

お前だよ、と言いたい。

何を心配しておるのだ。何をいっちょ前に防犯なぞ心がけておるのだ。「犯」はお前だろう。びっくりだ。というかよく出来たギャグじゃないか。わかっててやっているのなら逆に恐れ入る。

昔、確かドリフのコントか何かで、お化けが怖いと怯えているお化けの話があったが、リアルでそれをやらたのでは天国の長さんも落ち落ちしていられない。

だいたい、この犯人は一度の過ちでは飽き足らず、「次行ってみよう!」のノリで50件も荒してまわった”変なオジサン”なのだ。自分のそんな所業を棚に上げて、自らの家はあんな置物なぞ置いて「だいじょうぶだぁ」とでも思っていたのだろうか。

笑えないのは、この変なオジサンが、志村ではなくマーシー側の人間であることだ。


 2007・3・6 (火)


今日は舞台本番の日。

公演があるときには、一月ほど前から食事制限をして体重を2キロほど絞って臨む僕だが、当日となれば話は別。しっかり食べないと体力が持たない。

昼、劇場のある阿佐ヶ谷に着いた僕は、食事をとる店を探し始めた。だが、あまりめぼしい店は見つからず、結局駅のそばにあった富士そばに入る。

ネバネバ系大好きな僕のお気に入りメニュー、オクラとろろそばに加え、かなりお腹も空いていたので、カレーカツ丼と温泉卵も付けることにした。

あまり金額のことは気にせず、食券販売機に千円札を入れ、ボタンを押していった。だが、つり銭のレバーを引いたときに自分のしたことに気がついた。

戻ってきたのは、たったの10円だったのである。

富士そばで990円。まさかの大盤振る舞いだ。富士そばで。

確かに腹は膨れた。他の店で990円分食べるのよりもたらふく食えたに違いない。しかしなんだろう、この敗北感にも似た感情は。富士そばで990円、その事実が僕の頭の中で重くリフレインされる。

満腹と満足は違う、ということをまざまざと見せ付けられた瞬間。


 2007・3・9 (金)


会社のトイレで、なぜか先に手を洗い、手を乾かしてから用を足している人がいた。

彼は丹念に石鹸を泡立て、CMみたいに丁寧に手を洗い、あまつさえジェットタオルで執拗なまでに手を乾かし、その上で小便をしに便器に向かったのだ。

しかも用を足した後には手も洗わずに、何のためらいもなくすたすたと出て行ってしまった。風を切りながら流しを素通りしていく彼の目には、迷いなど微塵も感じられなかった。

どうしちゃったんだ。

朝起きて、朝食の前に歯を磨くのと同じような意味のわからなさ。いったい彼は、綺麗好きなのか何なのか。ワイドにしたいのかコンパクトにしたいのか不明な、14型のワイドテレビのような方向性のわからなさである。

あるいは彼の場合、陰部がものすごく綺麗で、それを汚しちゃなるまいと手を洗っていただけなのか。いずれにせよ、僕の頭では理解することはおそらく不可能だろう。

「なんでも知ってるつもりでも、ほんとは知らないことが、たくさんあるんだよ」
 by おでんくん

世の中わからないことだらけだ。



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