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TRAVEL NOTES (U.S.A)
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 アメリカ最後の日

 

3月29日(金)

ついに最終日である。先に書いたとおり、この日は3人思い思いに個人行動することになっていた。ぼくはサンタモニカでお土産などの買い物をすまし、 ヴェニスビーチ周辺をぶらついてのんびり過ごすことにした。

買い物を済ませたぼくはさっそくヴェニスビーチへと足を運んだ。砂浜沿いにはバイク・レーンが延々と延びており、スケボーやローラーブレード、日本では完全に廃れたキックボード、その他いろんな形のへんてこな自転車などを走らせて楽しんでいる人で賑わっていた。

ぼくはレンタルのローラーブレードを借り、ビーチを端から端まで満喫することにした。

バイクレーン沿いにはTシャツやタトゥーのショップ、カフェなどが立ち並び、大道芸やストリートアーチストの周りには人だかりができたりしている。

そんな光景を眺めながらのんびりと進んでいく。さらに行くとバスケットコートがあり、そこで黒人達がプレーしていたり、チェスのコーナーみたいなところでは、老人達がチェスを楽しんでいた。


ローラーブレード初挑戦!見た目は簡単そうだったが、やってみると本当に簡単だった。

さらに進むと、なぜか屋外にマシンジムがあり、そこで黙々と体を鍛えてるたくましい方々が。目をあわさないように進んでいく。

そこでは、まるで時間がゆっくり流れているようだった。 ぼくは気持ちが晴れ晴れとしてゆくのを感じた。

さっきまであんなにイライラしていたのがバカみたいだ。旅の一番最後にきて今まで忘れていたのもを手に入れられたような気がした。

まだまだビーチに残りたくてしょうがなかったが、他の連中と六時に待ち合わせをしていたのでしぶしぶ待ち合わせ場所に向かった。
僕は待ち合わせには時間前に着いていないと気がすまないタチの人間である。


どこまでも続くバイク・レーン

他の二人の性質上、時間通りにやってくるかは極めて疑わしかったが、そこは今まで苦楽をともにしてきた仲間である。ぼくは信じることにした。

ぼくが待ち合わせ場所に着いたのはちょうど六時。二人の姿は・・・見えない。

「まあ、多少はいいか。いつものことだし。」
充実した一日を過ごし、心が澄み渡っていたぼくにとって、十分や十五分はもうどうでもよくなっていた。

しかし、六時半になっても二人は一向に現れる気配はない。そうして待つこと45分。ようやく一人目がやってきた。


桟橋から眺めたヴェニスビーチ。残念ながらこの日は天気が悪く、波も高め。

ぼくの頭からは湯気が立ち始めていた。いくらなんでもこんなに待たされたのは生まれて初めてだった。しかも、まだ帰ってきてないやつがもう一人いるのである。
そして七時を回った頃、ようやく残りの一人が姿をあらわした。

一時間遅れで余裕の登場。大御所俳優か。

澄み渡った心なんてモンはどこぞに消え失せてしまっていた。

 

宿に帰ってくると、庭で他の若い宿泊客達が集まっていた。

この日我々が泊まるのは、「世界中の若者が集まる」という触れ込みのユースホステルであった。なるほどいろんな国から来た若者達が交流を深めているようである。

その中の一人が我々を見るなり声をかけてきた。

シコシーコ!
「し、しこしこ?!」

聞き間違えだろうか。しかし他の連中はくすくすと笑っている。さらにその男は続けた。

オ○ンコペロペーロ!
「おま・・・・」

唖然とする我々を尻目に彼らはもう大爆笑である。まったく、しょうもない日本語を教えるやつがいるもんである。

時間があればぜひとも彼らと仲良くしたかったのだが、次の日は5時半起きの我々には残念ながらそんな時間はなかった。

部屋に入り、ベッドに横になる。この二週間の楽しかった出来事がよみがえって・・・はこないで、なぜか辛かったことばかりが頭をかすめていった。

こうしてアメリカ最後の夜が過ぎていった。


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