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TRAVEL NOTES (U.S.A)
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 グランド・サークル

 

やっとのことでラスベガスに着いた我々。しかしその夜は、疲れていたのもあるし、週末にもう一度ベガスに来るからまあいいかってことで、カジノもほどほどにしてあまり遊ばなかった。

3月19日(月)

ベガスでの豪遊を楽しむ間もなく、三人は旅立った。グランド・サークル制覇という野望を胸に。

グランド・サークルとは、グランドキャニオン周辺に、国定公園や景観スポットなどが円状に点在している地域のことである。

手始めに、ザイオン国立公園に突入した。ってか、気がついたら入っていた。


ザイオン国立公園入口(出口)

高くそびえる山々と、その麓を流れる清流が美しいところだが、それほど印象に残るようなところではなかった。。


次なる目的地は、ブライスキャニオン国立公園だ。しかしそこで日が暮れた。やむなくモーテルをさがす。

予定では二泊三日でグランドサークル、グランドキャニオンをすべて観て回るつもりでいたが、到底無理なことに気付いた。納得行かないぼくはガイドブックを読んでみた。そこにはこう書いてあった。

「グランドサークル。〜全部まわるには一週間は必要。〜」

あれ。どうやら最初からムリだったようだ。ってか、なぜ来てしまってから気付くのか。我々の無計画ぶりには驚くべきものがあった。

しょうがないのでショートカットしてレイクパウエル経由でグランドキャニオンに向かうことに決めて、その日は眠ることにした。


ブライスキャニオンの眺め

部屋の時計が一時間進んでいたが、誰も気にかけなかった。


――夢をみていた。夢の中でぼくはガイドブックを見ている。

「時計が一時間進んでる。まさか・・・」
慌ててページをめくってるぼく。そして、夢の中のぼくが目にしたのは、
「グランドキャニオンはロスと一時間の時差」
という一行だった。


「大変だ!飛行機に乗れなくなる!」――

そこで目がさめた。まさか、と思い、ガイドブックを見る。

案の定、グランドキャニオンは西海岸より一時間進んでいたのである。モーテルのチェックアウトの時間は11時。自分の時計は9時過ぎだったが、実際は10時過ぎだ。あわてて出発の準備をする。

それにしても、三人もいて、時計が進んでいるのを見て誰もそのことに気付かないのだ。

不思議にも思わず、わけを考えようともせず、
「ははっ、この時計進んでら。」
などとほざいてる有様だ。ホント、能天気もここまで来るとおめでたい。

これでいいはずがない。これでいいはずがない。せめておれだけは。
そう、心に誓った。

 

3月20日(火)

レイクパウエルへ向かう途中、事件は起こった。

車を走らせているうち、パトカーとすれ違った。その道の制限速度は時速 35マイル。スピードメーターを見ると、55マイルだった。20マイル(32km)オーバー。これはまずい。

そう思って後ろを見た僕の目に飛び込んできたのは、まさにUターンしている最中のパトカーの姿であった。やばいやばいと言ってるうちに、サイレンを鳴らして車を止められた。ミラー越しに警官が近づいてくる・・・


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