3月18日(日)
この日は、朝はダウンタウンのショッピングモールで買い物をし、その後ロスを離れ、いよいよ2番目の目的地、ラスベガスへ向う。
ラスベガスまでの道は長い。(約500km) 途中、まわりは完全な砂漠で、電柱、街灯、電線などといったものは全くなく、写真のようにただただアメリカの雄大なな自然が広がっているだけだった。
そんな中を(休憩も含めて)約七時間、ひたすらまっすぐフリーウェイを突き抜けてゆく。
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 どこまでも続く道をひたすらくるまでかっ飛ばす
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時速70マイル(110kmくらい)前後での長時間走行、しかも道があまりよくないので、運転はとても疲れた。
やがて夜になり、街灯がないため、本当に真っ暗な中を進んでいかなければならなかった。
と、真っ暗だった道の先に、なにやら明かりが見えてきた。近づいて行くと、それは街のネオンの光だった。
「もしかして、あれがラスベガスか?!」
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ラスベガスへ向かう道。周りはひたすら砂漠のみ。
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到着するにはずいぶん早いような気がしたが、我々の胸は高鳴る。さらに近づくと、「CASINO」と書かれた看板や、立ち並んでいるホテルが見て取れた。
期待が確信に変わる。
光がだんだん近づいてくる。砂漠の真ん中に現れた、夜も眠らぬ華やかな世界。そこはまさに天国だった。ついに我々の車はそこに到達した。
「やっぱすげ〜なあ。ラスベガスは・・・・あ、あれ、通り過ぎちゃったよ、おい。」
そう、我々を乗せた車はそのままその街を突き抜けてしまったのだ。なぜかフリーウェイの出口はどこにもなかった。
天国が見る見る遠ざかっていく・・・
どうやらそこはラスベガスではなかったようだ。まぎらわしい「偽ベガス」にとんだぬか喜びだった。
「本当のラスベガスはあんなもんじゃないんだよ。」
「そうそう。なんかしょぼいなあと思ったもん。」
過ぎてしまってからはなんとでも言える。
そのまま車を走らせる。すでに夜の九時を回っていた。誰の顔にも疲れの色が見え始めていた。
しばらく走っていると、前方に再び明かりが見えてきた。
「今度こそラスベガスだろう」
期待というより、そう信じたい気分だった。光が近づいてくる。また、カジノやホテルやらのネオンが見える。そして、さっきのよりも規模が大きい、ような気がした。
「ここか?」 「ここだろう。」
通り過ぎた・・・
もはや我々に会話などというものはなくなっていた。
そうしてどれくらい走っただろうか?地平線の向こうが明るくなってきた。夢中で走ってる間に夜が明けてしまったのか?
そうではなかった。もう少し走ると、空に伸びるレーザー光線や街の光、そこへ向かう何機もの飛行機の光が見えてきた。
どうやら今度こそ本当に着いたようだった。その圧倒的な輝きは明らかに先の二つの偽ベガスのそれとは規模が違った。
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