3月14日(水)
いよいよ明日はアメリカへ行くため東京に向け出発だ。
ふつう、海外旅行、しかも初めてだったら前々から準備をしっかりしているものだろう。しかし僕はこの時点でまだ何にも準備をしていなかった。
これはいくらなんでもマズイ。夜になってからにわかに荷造りを始めた。気がつくと午前4時。これからの行く末を暗示しているようだった。
3月15日(木)
出来上がった荷物はリュックひとつとトートバッグがひとつ。リュックはバックパックと呼ばれる旅行用のものではなく、いわゆるデイパックだ。
なんだか少ないような気がしたが、一応、必要なものは一通り持ったはずだ。
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正露丸を持っていこうか迷ったが、臭いが荷物に移るのを嫌って、そのまま置いて家を出た。これがあとから悲劇をもたらすとも知らずに。
札幌駅で待ち合わせしていた友人と会って、お互いにびっくりした。
彼は、折りたためば女性一人入るくらいの大きなバックパックをしょっていた。自分のそれとはかなりの差があった。
一瞬にして不安に襲われるぼく。しかし、戻ってる時間はない。早くも不吉な予感に包まれながらも、そのまま空港へ向かった。
羽田に着いて、先に東京に来ているもう一人のメンバーと連絡をとった。余裕を持たせるために、その夜はなるべく成田の近くで宿泊しよう、そういうことになっていた。
しかし、そいつが思わぬことを言い出した。
「渋谷にカプセルホテルがあるからぁ〜、そこで泊まろう。」
ぼくは自分の耳を疑った。渋谷?いったいどっからそんな発想が出て来るのか。
「だってせっかく東京来たんだから渋谷行ってみてえじゃん」
頭痛がした。田舎者丸出しである。なんと恥かしい・・・。日本にいるときからこのはしゃぎよう。アメリカに行ったらどうなるのか。
しかし、その不安は現実のものとなるのである・・・
結局、間に合わなくはないのでその日は渋谷のカプセルホテルに泊まることになった。その夜。
ロッカーのほうから戻ってきた友人が言った。
「休憩所で居眠りしているオヤジ、パンツからチ○ポがはみ出てる。」
くだらないと思いつつも、ロッカーのところに行かねばならないのでついでに見に行くことにした。ま、どうせパンツの隙間からチラッと見えるくらいだろう。
ロビーのところから遠くに休憩所が見えた。
「いかん、もう見えている・・・」
20mほどの距離があったが、彼のチン○は、ぼくの予想を覆し、かなり根元のほうから顔を出していた。
自分が周りの視線を釘付けにしているのを知ってか知らずか、彼は○ンポを出したまんま気持ちよさそうに眠っている。むしろ、得意げな笑みすら浮かべていた。
ぼくは、彼を残して部屋に戻った。明日はいよいよアメリカへ向け出発だ。まず間違えなく飛行機の中では寝れないだろうから、今日はゆっくり休んでおかなくては。
しかし、おっさんのチ○ポが夢に出てきて、あまり眠ることができなかった。
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