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TRAVEL NOTES (OKINAWA?)
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 西日本・沖縄縦断バイク3000キロの旅・Prologue


4月28日(金) 旅行前夜

去年のGWは、原付スクーターで京都まで行くという荒行を成し遂げたが、今年は連休をフルに使ってバイクで沖縄旅行です。

この旅の構想は、去年の8月にバイクを買ったときから密かに進行していた。

「原付で京都なら、バイクだったらどこまで行けるだろう」

そんな発想で目的地を考え始め、「もうちょっと行けるかな?」、「もうちょっと行けるだろう」 と、どんどん行き先を延ばしてゆくうちに、「どうせなら端まで行っちゃえばいいじゃない」 というところまで行き着いてしまったのだ。

その、「端」 にたまたまあったのが沖縄、最初はそうだった。

だが、まだ見ぬ沖縄の地で、バイクに跨り颯爽と駆け抜ける自分の姿を想像するうち、いつしか沖縄それ自体が旅の目標に踊り出ていた。

青い海、白い砂浜、突き抜けるような青空に燦々と照りつける太陽・・・そんなロケーションで自分のバイクを乗り回す。

最高じゃないか!

僕の中で沖縄バイク旅行というのがどんどん膨らんでいった。

そうして、今年もGWにその計画を敢行することに決定し、少しずつスケジュールを練り上げていった。

最終的に決定したその日程は、

29日 東京発→諏訪湖→名古屋→琵琶湖
30日 琵琶湖→鳥取砂丘→岡山→広島
1日  広島→鹿児島 18:00発フェリーで沖縄へ
2日  18:40 那覇着→そのまま那覇宿泊
3日  那覇周辺を観光→北のほうへ向かい名護宿泊
4日  名護周辺観光→本島の最北端を通り、上半分を周るようにして那覇まで戻る
5日  7:00(!)発のフェリーで鹿児島へ
6日  8:30 鹿児島着→大阪あたり(予定)
7日  夜に東京に戻る(予定)

うん。やっぱり見れば見るほど過酷。でもそんなのはいつものことである。無問題。

ただ、今回は出発する前からいくつか誤算が生じていた。そしてその誤算が、今回の旅の歯車を大きく狂わせることになる。


 誤算、というか初歩的ミス

まず、高速道路料金。

当初、普通に所々高速を使うつもりでこのルートを組んでいた。だが、出発一週間前になって高速道路の料金を確認した僕は、次の瞬間、愕然として座高が5センチ縮んだ。

「高い!!」 (too expensive !!)
思わず冬季オリンピックのスノーボードの解説者のように叫んでしまった。

普段高速など使わないので、こんなに高いものだとは知らなかった。このまま予定通りのルートを採ったのでは、あっさりと予算オーバーだ。となると、ほとんど、というか基本的に高速には乗らず、走る時間を増やしてその分走行距離を稼ぐしかない。

例によって、ますます過酷になっていく一方だ。というか過酷を通り越して、本当に実行可能なのか怪しいレベルにまで達している。

とりあえず、途中寄り道する予定だった所はことごとく回避し、ひたすら一日中走り続ける、ということになりそうだ。いよいよ罰ゲームに近くなってきた。

そして二つ目の誤算。これなんかはもっとひどい。

帰りは、これまで行ったことのなかった四国を通って大阪まで来ようとしていた。九州から四国に渡り、そして本州へ。どうやって?

そう、僕は九州と四国が繋がっていると思い込んでいたのである。

何をどう勘違いしていたのか自分でもわからないが、九州と四国の間にも瀬戸大橋的なものが架かっていると信じて疑っていなかった。

だが、地図で四国と九州の距離が一番狭まっている所 ―僕が橋が架かっていると思っていたところ― をいくら見ても、そこにはただただ海が、大海原が広がっているだけだった。ここをバイクで渡るのはちょっと勇気がいる。

いやぁ、海は広いね大きいね。

結局、来た時と同じように、中国地方を回って帰らないといけない。いずれにしても、具体的な道順やどこに泊まるかなど、帰りの予定はほとんど考えていなかった。そもそも鹿児島から二日で東京に戻ってこれるのかはいよいよ怪しい。

このように、行く前から既に暗雲がモクモクと立ち込めていたのである。


 それでも、やっちゃうんです

だが、こういう状況になればなるほど、ほくそ笑んでる自分がいる。

根っから「無茶」というものが大好きな男の悲しい性か。僕の性質は「ド」が5つ付くくらいのSだが、苛める対象は自分自身にも及んでいるようだ。
Sの自作自演。Sの自給自足。

ま、3年前に知床へ行って味を占めて以来一人旅にハマって毎年のように行ってるけど、だいたいいつもこんな感じです。

「なんとかなるべぇ」

基本方針はこれです。旅行というか苦行に近いような気もしますが、これくらい無茶しないと満足できない体質なんです。そんなわけで今年も、単なる「行楽」とは一味も二味もも違う弾丸ツアーを敢行します。

って、この段階で全然準備ができていない。さっさとやらないと。まあ今からこんな感じなので先が思いやられるな。

度重なるハプニングと過酷なスケジュールに顔を歪め、苦悶の表情を湛える自分の姿が目に浮かびます。

楽しみです。

−−−−−−−−−

とまあ、こんな調子でいつものように出発した僕だったが、過酷なスケジュールはもちろん、度重なる、そして度が過ぎるハプニングに見舞われ、完膚なきまでに叩きのめされる結果となるのであった。

なぜ、「沖縄旅行記」ではなく、「沖縄『方面』旅行記」となってしまったのか。そのあたり、ぜひとも見届けていただきたい。



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