BangLassie
TEXTS
LONG DIARY
TEXT TOP  
 一大決心 (2002・5・30)

 

僕は今「自分の心」と戦っている。
今日こそは「勇気を持って踏み込もう」と何度も意を決してみるのだが、そのたびに自分の心の弱さに負けて、今日の今日までそれを先送りにしてきた。
いつか必ずやらなければいけないにもかかわらず・・・

その、僕が「踏み込まねばならない場所」というのは、冷蔵庫の最下段、野菜のトレーである。そこには5ヶ月ほど前から一つのビニール袋が収まっている。正確に言うと、昨年の12月29日の夜、忘年会と称してみんなで我が家に集まって焼肉をやったときからである。


ビニール袋の中身は、その焼肉のために買った玉ねぎとジャガイモの残りである。


うちで飲み会をやるとき、あまった食材や酒はそのまま僕の所有物になることが多い。貧しい一人暮らしの足しになるだろうというみんなの好意である。


そのときはありがたいのだが、どうにも最近自炊をしないことが多く、そのまま放置されることが増えてきていた。

その結果、今回もこのような事態を招いてしまった。しかし、ここまで長い時間がったってしまったのは初めてのことだった。


時間がたてばたつほど面倒くささが増していき、そして最近は真実に目を向けることに対する恐怖が徐々に僕の心に巣食い始め、気がつけば季節を二つまたがんばかりの勢いである。


 

このままではいけない。今日、僕はついにこの事態に決着をつける決心をした。
夏に入ってしまっては奴らが醗酵して冷蔵庫じゅうに腐乱臭を撒き散らす恐れがある。それは避けなければいけない。健康で文化的な人間としての生活を守るためにも。


ビニール袋を取り出し、生ゴミと一緒に捨てればいい。ただ、それだけのことである。


僕はついに、あの時以来閉ざされていた野菜入れをあけた。
そのビニール袋は内側が水滴でいっぱいだった。
後はこれを取り出して捨てればいいだけだ・・・。


しかし、僕は見てはならないものを見てしまった。
事実、このあと僕の悲鳴が乱れ飛ぶ。


ビニール袋の中身は、焼肉のために買った玉ねぎとジャガイモの残りである。
だが、恐る恐る袋の中身をのぞいた僕の目に飛び込んできたのは、紅色をした30cmくらいの棒状の物体の束であった!

 

「・・・・・・・・・・・・・!!!」

 

戦慄の境地に引きずり込まれた僕は、ビニール袋を投げ捨て、またもとのように野菜トレーを硬く閉ざしてしまった。

「ハア、ハア・・・」

うちの冷蔵庫の中にビオランテが・・・
僕の部屋は一気に魔窟と化した。


とりあえず、見なかったことにしよう・・・
僕は自分をそう納得させるしかなかった。

「いや、だめだ、このままじゃあ。いつまでたっても・・・」
しかし、僕は自分を奮い立たせ、やつを処分することに決めた。
たとえこの身が滅びようとも・・・


 

それでは、その衝撃映像の一部始終をご覧いただこう。

 

魔窟への入口 闇の中から現れたのは・・・

 

 

「ウルトラQ」でこんなの見たことあるぞついに全貌を現した袋の中身

 

 


悪意の塊じゃないか
これは果たしてこの世のものなのだろうか・・・

 

てか、あんた誰やねん片山さんもビックリ困惑顔。

 

まだちょっとかわいく見えるわ・・・・・・。

 

・・・薄れ行く意識の中、なんとかこれらを処分することに成功した。
これは自然界からの人間に対する何かの警鐘なのだろうか。
あらためて生命の神秘を感じずに入られない事件であった・・・

▲ページのトップへ


TOP PAGE
contents
ABOUT THIS SITE
SHORT DIARY
WORKS
TEXT
MUSIC
BBS
LINK
Please click the upper items !